散文家 雪です❄️
お越し頂きありがとうございます。
お金が人を苦しみから救ってくれるのはたしかだわ
ーーードラ・マール
ピカソ関連の読み物にハマっています。
【読書『ピカソとの日々』】【フランソワーズ・ジロー】モラハラ男との付き合い方の正解
今回紹介する本は。。。
『ピカソと恋人ドラ』 平凡社 野中邦子訳
作者はアメリカ人作家ジェームズ・ロードさん。
実はこの本ってジェームズさんの自伝なんです。
大学に馴染めず軍隊に入った彼は、連合軍兵士としてフランスに渡りピカソと出会います。
ゲイで独特の感性を持つジェームズは芸術家に憧れていて、
自身も歴史に名を残す芸術家達の仲間入りしたいなーとか考えている頭お花畑の男の子なんですね。
ぶっちゃけ、「作者ジェームズのナルシティズムを露呈する」この本は読んでてむず痒くなる箇所も多く、
何度も「ジェームズ個人の考えとか意見とかいらんし知りたくもないから」(失礼)、と読むのを断念しそうになる程。
(ジェームズうっざー。。)
ですが、貴重なピカソやドラ・マール、その他の重要な人物について書かれている箇所を読みたいという欲が勝り、
最後まで何とかたどり着くことができました。笑
フランソワーズ・ジロー
(私の好きなフランソワーズ・ジローも出てくるで〜。)
目は輝いていたが、厳しくもあった。
ドラは美人だった。
すっとした高い鼻、形のよい唇に深紅のルージュを塗り、
顎は意志の強さが感じられた。
栗色の豊かな髪を後ろになでつけ、
まつげは濃くやわらかだった。
(『ピカソと恋人ドラ』から抜粋)
ピカソを交えてドラと初めて食事するシーンで
ジェームズのドラに対する印象が書かれています。
ジェームズの文章は女々しくてくどくて苦手だけど、この箇所は詩的でとても好き。
タバコをくわえながらニヒルな表情をたたえるドラの様子がありありと浮かんできそうじゃないですか。
ピカソを通じてドラ・マールと出会うジェームズですが、彼女と交流し、彼女の事を少しずつ知る様になる事で
男女の仲とは異なる崇拝の様な感覚をドラの対し抱く様になります。
2人で数週間に渡り別荘へ旅行に行ったりと側から見ると仲良さげなお二人なのですが、
ある日ドラ・マールへの怒りが溜まりに溜まったジェームズは彼女へ爆弾の様な内容の手紙を送ります。
(「おらーーーーー💢」)
p329〜p336に渡りジェームズからドラに送った手紙の内容が書かれているのですが、
「こんな我慢してたんだったら早い段階で、お付き合いやめとけよ」と皆が思うレベルの凄い毒を吐いてました。
ですが、この内容にこそドラ・マールの人間性そのものが表れていて、
ドラを知りたい私としてはとてもわかりやすくて良かったです。
手紙からわかるドラのやばい人間性
①プライドが超高い
反骨精神の塊のような外見に滲み出てる通り、いつも自分が一番でないと気が済まない性格。
世間からさしたる評価もされて無かった様ですが、芸術家として強い自負があり、
いつも自分は世間から求められているのだと豪語していた様です。
②金銭面に物凄く執着する
自分よりも15歳年下のジェームズにいつも食事や旅費を奢らせていて、
プレゼントを贈られても「私も何かあげたいがふさわしいものが見つからなくて。。」と
決して送り返すことは無し。
ピカソからも「ドラは守銭奴だ」と言われてました。
ドラの家の中にはピカソが描いたドラの肖像画が複数飾られていたそうですが、
どうやらピカソの愛人の家に掛かる肖像画はプレミアがつくことを狙っていて、
人に譲ったりする事がなかったという事です。
(元愛人ピカソから描いてもらった絵を大切にしているわけではないのね。。)
プレミア付きのお宝に囲まれることで、物質的な充実を得ていたドラの守銭奴ぶりは、
徹底していて恐ろしさを感じる。
③人を批判しがち
事あるごとにジェームズに対し不満をぶちまけ、けなします。
(お友達には優しくしましょうね!笑)
もちろんピカソや周りの人の悪口も言い放題。
「口さがない人」とは正にドラの事。
~~〜~~〜~~〜~~〜~~〜
ドラが芸術家として大成することができず、醜い老婆となり世間から孤立してしまった理由が
上記全てに詰まっているような気がします。
「ここまで独自路線を徹底して凄い。」という人もおられると思いますが、
私はこの人、精神性が低すぎて苦手やなー。
素敵だと思わない。
ただの痛いおばちゃんやん。
こんな人にはならない様に生きようと反面教師にするにはピッタリな女性、
それはドラ・マール。
ってか。
ではまた。
雪❄️
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